忙しいママにしかできない子どもを伸ばす関わり方
子育てで一番大切な根っこの部分、信頼関係を築いていくためには子どもを信じること。「この子はできる子」という視点で関わっていくことが何より大切です。
今回は、信頼関係を築く上で欠かせない子どもとの関わり方についてお伝えします。
子どもはそこにいるだけで十分
みなさんは日常のなかでお子さんに関わるとき、どんな意識を持っていますか?
「この子はできる」と思って関わっているのか「この子はできない」と思って関わっているのか。
そもそも、私たちはわが子をベビーのときからみてきました。
何もできないところから、ひとつひとつできるようになってきた過程を見てきたはずなのに、それを忘れてしまいがち。
笑いもしなかった子が笑いはじめ、手を使いはじめ、寝返りをうち、ずりばいをし、はいはいをして、立てるようになってきた。
どんどんできることが増えてきての、“今”ですよね。
当時は、ひとつできただけでも、大喜びしていたって方がほとんどじゃないかな?
写真や動画を撮って、その瞬間を味わっていませんでしたか?
できないことができるようになった時の感動も、そもそもそこに存在するだけでありがたい、わが子とはそういうものであったはずです。
それがいつの間にか「言ってもきかない」「やらせてもしない」「わかってもいない」「あ〜、もう!なんでできないの」と思うようになってはいないでしょうか?
子育ては根気のいることが多いです。
それで疲れちゃうことも確かにあります。
だけどね、もう一度いいます。
子どもはできる存在、そもそもそこにいるだけでありがたい存在なんですよ。
『ママの助け』が子ども本来の力を弱める結果に
子どもに対して、「できないだろう」と思って関わると、子どもが本来もつ力や強みを発揮する機会を失ってしまいます。
できない子として扱うと、「どうせできないから・・・」になっちゃうだけでなく、次第に子どもはやろうともしない、やる気自体を失ってしまうことにもなりかねません。
「だって、どうせママがやってくれるから」そんなことも起こりかねないんですね。
あなたはこんなふうに思ってはいないでしょうか?
私がおこしてあげなくちゃ
私がかまってあげなくちゃ
私が片付けてあげなくちゃ
私が寝かしつけてあげなくちゃ
私が髪を乾かしてあげなくちゃ
私が教えてあげなくちゃ
私が守ってあげなくちゃ。
あなたが『してあげなくちゃ』を使えば使うほど、子どものできることは減っていくことになります。
子どもの「できた」という喜びを奪いたいなんて、あなたは思っていないはず。
だとしたら、してあげることを減らして、子ども自身ができることを増やしていく意識を自分の中に育てていくことを大切にしてみてほしいんです。
いつだって「この子にはできる力がある。大丈夫」と思って関わる。
そこがとても大切だと私は思います。
まずは日常のささいなことからはじめよう
子どもには「できる子」として関わった方がいいことは頭でわかっても、すぐに日常生活に落とし込むのは難しく感じるかもしれません。
そんな方には、まずはささいなことからはじめてみることをオススメします。
自分の靴は自分で揃える
食器は自分で下げる
飲みたいものは自分で入れる
宿題は自分でする
自分の準備は自分でする
自分のものは自分で片付ける
自分のことは自分でする
そんな感じ。
そして、やっていくなかでできないこと・していないことがあった時には『本来できる力を持ってる子』として温かく見守ってみることです。
声かけ一つが大きく変えていくママと子どもの関係
具体的なことをいえば、たとえば食卓で普段あなたは子どもにどんなことを言っているかちょっと思い出してみてください。
「ほらまた〜〜お茶碗をちゃんと手でもって」
「もうひじつかないで」
「あ〜もうこぼさないで」
なんて、つい言ってませんか?
こう言われ続けたら、子どもはどんなことを思うのでしょう?
そもそもごはん自体、美味しくいただけるものでしょうか?
一方で、子どもたち側もこう思うはず。
「うるさいな〜〜」とか
「あ〜〜また言っている〜〜」とか
思春期に入っていたら「ウザイ」の一言も出てくるかもしれません。
これ、はっきり言って全然うれしくないことばかりですよね。
それよりも、「あら?めずらしいわね、お茶碗の手が・・・」なんてかる〜く促したり「うわ〜ママ一生懸命つくったごはんだから、美味しそうに食べてほしいな〜」というようなIメッセージで関わる。
「できる」と思っているからこその関わり方の方が親子ともに心地よいのではないでしょうか?
もちろん「日常的なマナーを身につけてほしいから家庭でしっかり・・・」という思いを大切にされることがいけないと言っているわけではありません。
マナーは、自然な形で習慣化していけるといいですよね。
だからこそ、どう言えば子どもに届くのか、を考えましょう。
そもそもの段階で「できないから指摘しなければ」という意識では、いつまでたっても欠けている・できていないとことばかりが目につくのが私たち大人です。
そんな意識ではきっと子どもに届く言葉も思いつかないから。
それよりも、普段できた時にどれだけできていることを言葉にして関わっていくか。
そのためにできていることを探す目でみていくか。
ちゃんとお茶碗に手を添えることができているときに、あなたは今、どんな声掛けができているでしょうか?
まずはそんなところからも変えていくことがいくらでもできるんですよね。
『自分を信じられる子ども』はまず親が子どもを信じることから
大切なのは、
わが子はできる
今できていなくてもできる
私が言わなくてもできる
まわりがどうであってもできる
そう思って関わること。信じきることです。
子どもはいずれ黙っていても、必要だと理解できれば、必ずできるようになります。
そして、できないことがあってもいい。
できないぐらいで丁度いい。
あなたもそうではありませんでしたか?
世の中にはできないことを数えだしたら、きりがないぐらいたくさん出てきます。
少なくとも私はそうです。
人間はどこまでいっても不完全。
だから魅力的でもあるんです。
全部ができるようになんかなれない。
むしろならなくても十分なんです。
いつだって母親が子どもを「この子はできる」と思うことが、自然と子どもの中に「自分を信じる」芽を育たせていくことにつながります。
だから、まずはあなたが心の中でわが子を信じることを意識していきましょう。
それが、わが子の自尊心・自己肯定感に必ずつながっていきます。
【 今日のゆるママワード 】
「わたしもできる」です。
日々つぶやいてほしくてこの言葉を選びました。
結局のところ、子育ては自分育て。
あなたが自分のことをどれぐらい認めているかが子どもにも反映されます。
ぜひぜひ「私もできる」を意識してみてくださいね。